こんにちは、1級 色彩コーディネーターの石川です(プロフィール)。
この記事では、色彩検定1級受験にあたって1次および2次試験の勉強法や、おすすめのスケジューリングについて紹介します。
2020年に色彩検定の公式テキストが改定されました。改定にともなう注意点などをまとめた記事も合わせてお読みください。
勉強法:1次試験対策
1級1次試験に関しては、出題形式が2.3級とほぼ一緒です。
なので、基本的には 2.3級受験時の勉強法の延長で考えていいと思います(参考:2.3級のおすすめ勉強法)。
すなわち以下の(1)~(2)の流れで学習を行いましょう。
【1】公式テキストを2度読む
公式テキストは 必ず2回以上読みましょう。
1度目は、どこに何が書かれているかの確認です。内容を理解する必要はありません。
2度目で、内容を頭に入れながら読みすすんでいきましょう。
1級テキストは分量も多く、また公式テキストの記述だけでは理解しづらい部分も多々ありますので、完璧に理解しようとするのではなく、つまづくポイントなどは さらっと読み飛ばしましょう。
次の、問題集を解き進める過程で把握できるようになる部分もたくさんあります。
【2】問題集で実践的に問題を解いていく
市販問題集を解きながら、具体的な出題の形式になれていきましょう。
その際、問題集は 解説がキチンと掲載されているものを選びましょう。
問題集は、何冊も買い込むよりも1冊の問題集を繰り返し解く方法をお薦めします。
というか 1級の場合は問題集にあまり選択肢がありません(独学受験におすすめの問題集&参考書:1級)。
問題文そのものを暗記するくらいの勢いで、とにかく繰り返し解くこと。
問題集を解き進めていくうちに(1)の段階では不明だったことが次第に理解できるようになったりもします。
ですから、上記(1)の工程の部分で不明点に出会っても、そこで必要以上に立ち止まらないようにしましょう。
理解できなくても焦らず 少しづつ理解していきましょう
勉強法:2次試験対策
1級2次は、1次試験までの出題形式とは根本的に異なります。これまでとは異なる知識の取得が必要です。
「出題の傾向」を確認する
当サイトでは、2011年以降の公式過去問題集を分析して、2次試験の出題傾向を紹介しています。まずは、そちらの記事に目を通し、出題されがちな項目などを確認しておきましょう。
「最低限必須知識」を覚える
また、2次試験で必須となる知識をまとめた記事も作成していますので、そちらも合せて確認します。
2次試験の設問はこれらの知識を前提とした質問文になります。なので、これを知らないと「そもそも質問文の意味がわからない」ということになってしまいます。
2.3日で覚えられるような簡単なものではありません。単語帳を作成したりして、他の勉強と平行しながら最低1~2ヶ月程度の期間を設けるようにしましょう。
わたしの場合、カラーカードを常に持ち歩き、街で見かける色という色をPCCS色記号で言えるようにしていました。
始めは、まったく効果があがらずくじけそうになりましたが、2~3週程度で次第に身についてきます。あせらずにがんばりましょう。
2次問題を繰り返し解く
2次試験(特に配色問題)の設問文はとにかくクセがあります(参考:1級の出題傾向と対策)。
慣れてしまえば、何を問われているのかスッと頭に入ってくるようにもなるのですが、慣れるまでが一苦労。
解決方法は、とにかく繰り返し問題を解くことでしかありません。
当サイトおすすめの問題集に関しては別記事で紹介していますのでここでは触れませんが、とにかく問題数の多いものを選び 設問パターンを身につけましょう。
残念ながら、1級に関しては 1次・2次とも問題集の選択肢がほとんどありませんが・・・
カラーカードの扱いに慣れておく
カラーカード実技問題の場合、最終的にカードの切り貼りが必要になります。
カードは各トーンごとに纏まっていますが、どのトーンがどのあたりにあるか直感的に選べるようになっておきましょう。
試験中、切羽詰っている状況ではお目当てのカードがなかなか見つからなかったりしてあせります。
カードは常に持ち歩き、各トーン&色相がどのへんにあるのか掴んでおきましょう。
関連記事 2次試験で使用するカラーカード(新配色カード199a)に関しては「カラーカードについて」の記事をご覧ください
試験時間を常に意識しよう
問題集などで ある程度正解できるようになってきたら、実際の試験時間を意識して訓練をしておきましょう。
2次試験は、求められる作業量に対して試験時間が非常に短くなっています。
カラーカードの切り貼りの時間まで含めて、キチンと時間を計って行いましょう。
その際、正規の時間(90分)よりも 10分ほど早めに設定しておくのがポイントです。
実際、わたしはこの「試験時間」を無視した形で受験勉強を行ったため、試験当日、解答が終了ぎりぎりまでもつれ込んでしまい、満足に見直しなどもできませんでした。
最低でも10分程度は見直し時間が取れるようにしておきましょう
さて、最後に試験当日の解答方法に関して、実際にわたしが行った手順を参考として掲載しておきます。
前準備:メモ欄に「PCCS明度・彩度表」「マンセル-PCCSへの変換表」を書き込む。
記述解答:問題の解答。ただしカラーカード問題は色記号だけを記述しておき切り貼りを行わない。
切り貼り:カラーカード問題に関して 実際にカードを切り貼りする。
見直し(※実際には わたしは見直す時間を作れませんでした・・・)
まず、明度・彩度表、マンセル変換表をメモ欄に書き出します。
1問1問に対して、各色相&トーンの明度・彩度を思い出していくよりも(多分)効率的です。
カラーカード問題は、記述と切り貼り作業を完全に分離しました。
この辺は人それぞれだと思いますが「問題を解く」-「切り貼り」-「問題を解く」-「切り貼り」-「問題を解く」といった流れでは思考が分断されて、 結果両方の作業が非効率化してしまうような気がしたためです。
1級:受験勉強スケジュール
当サイトでは、石川の実体験を踏まえて以下のような学習スケジュールをおすすめしています。
1級受験をするうえでは1次対策はもちろん、2次対策も同時並行して行う必要があります。1次の結果が出てから2次対策をはじめるのは 無謀です。
まず、2次の「必須知識」は一朝一夕に覚えられるものではないので、早い段階で対策を開始しましょう。
また2次の問題文には早い段階で目を通しておいた方が良いかと思います。この段階では、正解することにこだわらず、問題文の癖をつかむ程度で大丈夫です。
10月に入ったら、1次試験対策に注力しましょう。
1次試験終了と同時に「2次問題集」を本格的に開始します。
1次の結果を待ってからでは遅いので、合否に関わらずとにかく見切り発車しましょう。別に、無駄になることではありません。
まとめ
というわけで、色彩検定1級のおすすめ勉強法の紹介でした。
コメント
コメント一覧 (8件)
はじめまして。去年の色彩検定一級を受けたものです。
今日結果が届き合格でした!
独学だったのですが、このサイトにとっても助けられました。
ありがとうございました!
orbさん コメントありがとうございます。
そして何より1級合格 おめでとうございます!! 当サイトの情報がいくらかでもお役にたてたようでなによりです。
一人でコツコツ運営しているサイトですので、こういうコメントを頂くと本当に励みになります。
orbさんのご活躍をお祈りいたします!
こんにちは。今日1級2次の発表があり無事合格致しました。
石川様の記事に助けていただき2級1級と順調に来れました^_^
心より御礼申し上げます、ありがとうございました。
コメントありがとうございます!
そして1級合格おめでとうございます!! 当ブログが少しでもお役に立ったようでなによりです!
色彩検定は段階を踏んで下の級から受けた方がいいのでしょうか?
コメントありがとうございます。
■「制度」について
まず、「制度」の面からお答えしますと、色彩検定は何級から受験しても構いません。いきなり1級に挑戦することも可能です。
試験時間が異なるので、1~3級を併願することもできます。
■「難易度」面について
続いて、受験の「難易度」の面からお答えします。
特に専門家でもない方が、いきなり1級を受験するのは、以下の理由からおすすめしません。
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・1級2次試験では、2.3級の内容も出題される(少しですが)
・2.3級と1級とで内容が異なるため、試験勉強を通じて学べない項目が出てしまう
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個人的には「まず2級を取得し、続いて1級にチャレンジする」ことをおすすめしています。
ただ 今年は夏の試験が無くなってしまったので、いきなり1級を受験したい方も多いと思います。
その場合、仮に いきなり1級から受験するにしても「受験する/しない」に関わらず、2.3級の勉強はしておいた方がよいかと思います。
2.3級の内容は、1級2次試験に出題されますし、また私の経験上、実際の仕事で役立っているのは2.3級範囲の知識だったりします。
※1級は専門性が高いので 職種によってはほとんど必要がない知識も含まれているため
コメント失礼します。^_^
色彩検定一級を試験に合格するため勉強しようと考えているのですが、参考書を何冊ぐらい買った方が良いですか?
コメントありがとうございます(返事が遅くなりまして すみません!)
参考書の件ですが、私は以下のように考えております。
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・1級1次試験は、「問題集」x 1冊。可能であれば「参考書」x1冊もあると良し
・2次試験対策は、「問題集」x 1冊と、「公式過去問」過去3年分程度。
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1級は、問題集・参考書とも選択肢がほとんど無いのが難点ですね・・・
※おすすめの問題集・参考書はこちらで紹介しています。