こんにちは、1級 色彩コーディネーターの石川です(プロフィール)。
色彩検定では、配色などの演習用に新配色カード199a(以下 カラーカード)を併用することが推奨されています。
公式テキストは、カラーカードを切り貼りすることで、より理解が深められるような構成になっていますし、また 1級2次試験では、実技として解答欄にカードの切り貼りが必要になります。
そのため 1級受験を考えている方は早い段階で カラーカードの特徴や扱いやに慣れておく必要があります。
さて、わたし(石川)が1級を受験した際、カラーカードに関して知りたくてもなかなか知ることのできなかった情報があります。それは・・・
2次試験当日に配布されるカラーカードには 裏に色記号が印刷されているのかどうか?
これは ものすごく重要なことなんですね。
だって、印刷されていなかったらsf6だのdp10だのといったカードを見分ける訓練もしなければいけないわけですから。
後述するように、2次試験当日に配布されるカラーカードに、色記号は「印刷されています」。
ネットでこの辺の情報を探したんですが、探し方が悪いのかなかなか見つけられず・・・
1週間以上探し回って、ようやくどなたかのブログに記述があるのを発見したわけです。
よかったー!と思うと同時に「なぜこんなにも1級の情報が少ないんだろう・・・」という事を痛感いたしまして、まあ それがこのブログを立ち上げる動機になったわけですが、そんな心温まるエピソードはおいといて、以下にカラーカードの特徴を紹介してみます。
「新配色カード199a」とは?
カラーカード、カラーカードと呼んでいますが、色彩検定受検で使用されるものは、正式には「新配色カード 199a」と呼ばれるものです。
PCCSのトーン別、色相系統に実用的な色をプラスした199色のカードで日本色研事業(株)によって制作されています。
新配色カードには、シリーズとして199a. 199b. 199cなどの種類がありますが、これらはカードの大きさ(サイズ)の違いになります。
色彩検定テキスト2.3級、及び1級2次試験で使用するのは199aというサイズのものになりますので購入時には注意しましょう。
「新配色カード199a」の特徴
カードはPCCSのトーンごとに 色相順でまとめられていますが、以下の3点で注意が必要です。
- 各トーンとも24色相中の偶数番号にあたる12色相のカードだけで構成されている(ただしVトーンのみ24色相あり)
- sトーンのカードは含まれていない
- p&ltトーンは+記号付のものが採用されている(※1)
※1:PCCSでは、ltとpは、それぞれ2つの代表色が選ばれており、これらを区別するため高彩度側の代表色には+(プラス)の記号がつけられています。つまり正確にはペールトーンにはpとp+があり、そのうちp+の方だけがカラーカードになっている(lt、lt+も同様)ということです(参考:pとltのプラス記号はつけるべきか?)
「新配色カード199a」の仕様
カードは表紙から以下の順番で並んでいます。
カードの特色 | カードの説明とPCCS-マンセル変換値などが記載されている (※2次試験で配布されるカードには付いていない) |
---|---|
v | [24色相] v1. v2. v3 ~ v23. v24 |
dp | [12色相] dp2. dp4. dp6 ~ dp24 |
dk | [12色相] dk2. dk4. dk6 ~ dk24 |
p+ | [12色相] p2+. p4+. p6+ ~ p24+ |
lt+ | [12色相] lt2+. lt4+. lt6+ ~ lt24+ |
b | [12色相] b2. b4. b6 ~ b24 |
sf | [12色相] sf2. sf4. sf6 ~ sf24 |
d | [12色相] d2. d4. d6 ~ d24 |
ltg | [12色相] ltg2. ltg4. ltg6 ~ ltg24 |
g | [12色相] g2. g4. g6 ~ g24 |
dkg | [12色相] dkg2. dkg4. dkg6 ~ dkg24 |
Neutral 無彩色 |
17段階(w,Gy9.0~Gy2.0,Bk) |
ピンク系 [PI] |
※1級2次では使用しない |
ブラウン系 [BR] |
※1級2次では使用しない |
オフニュートラル系 [off N] |
※1級2次では使用しない |
カード裏面にはPCCS色記号が記載されています。また5mm間隔にドットが打たれています。※2次試験で配布されるものにも色記号は印刷されています
1級2次試験では試験会場にて実技用のカラーカードが配布されます。
実技解答はこのカードを使用して切り貼りして行うわけですが市販のカードとどこが違うのでしょうか?
- 相違点:試験時に配布されるものには「カードの特色を説明した部分」がない
市販のカードと異なる点はただ一つ「カード始めの特色説明部分」(マンセルとPCCSの対応値などが印刷された薄手の白い紙部分)があるかないかだけになります。
カード裏の色記号もちゃんと記載されています。
上図の左は、実際にわたしが1級2次を受験した際に配布されたカードの現物です(カードは持ち帰れます)。カードにところどころ短い部分があるのは、わたしが試験時に切り取ったためです。
勉強にカラーカードは必要?
1級受験者は必須ですが、2.3級受験者は「お金に余裕があったら」でいいとわたしは考えています。
ただし、買うと受験勉強のモチベーションがグンっとUPします(これはホント)。
なので、ちょっと集中力が切れてきたな・・・と感じたときにカンフル剤として購入するのもいいかも。
慣用色を暗記するのに別途単語帳とか買うぐらいだったら、カラーカードの裏に「藍色」「カーマイン」とか記載しておくってのも手ですね。
ちなみに、わたしは外出用と室内用と2個購入して、普段から外出用を持ち歩いていました。
まとめ
というわけで、色彩検定で使用するカラーカード(新配色カード199a)についてまとめてみました。
※新配色カード199aは画材屋さん、文房具店などでも取り扱いがあります
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コメント
コメント一覧 (6件)
カードのトーンの並び順
大事なdkトーンが抜けてますよー
ちなみにdpとp+の間ですー
かぶ様
ご指摘ありがとうございます!! 早速修正します!
試験時配布のカラーカードに色記号書いてあるかどうか不安で眠れず、ずっと探し続けてました。ありがとうございます。そして安心しました。
今年1級初受験です。他のページもとても参考になりました。ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
当ブログの記事がお役にたったようで何よりです! 1級受験頑張ってください!!
はじめまして。1級2次勉強中の者です。本当に資料が少なくて途方にくれています。1つ質問させて下さい。2級の本では、g4桧皮色マンセル値1YR4.3/4とありますが、新配色カード(白い紙)ではマンセル値が10R4.0/2.0となっています。同じことですか?どちらを覚えても良いですか?混乱して途方にくれています。お忙しいところ申し訳ありませんが教えて頂きたいです。よろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます。
■ 質問内容の確認
現状、白い紙部分が付いた新配色カードの持ち合わせがないため、念のため確認しますが、ご質問は以下のようなことで大丈夫でしょうか?
——————
・慣用色「桧皮色」のマンセル値について、2級公式テキストと配色カードで値が異なっている
・「教科書=1YR4.3/4」で「新配色カード=10R4.0/2.0」となっている
・どちらを覚えればよいのか?
——————
質問が以上だとして お答えします。
■ 私の答え
・公式テキストのマンセル値(1YR4.3/4)で覚えましょう
■ 理由
教科書にも記載があるとおり、本来 慣用色はある程度の幅をもった色を指し示すものです。
ですから、マンセル値としては「1YR4.3/4」でも「10R4.0/2.0」でもよいものと思います。
ただ、公式テキストの値(1YR4.3/4)は「JIS規格(JIS Z 8102:2001 物体色の色名)」で、桧皮色の「代表的な色記号」として記載されているマンセル値になっており、こちらを覚えておくのがよいかと思います。※私の方で確認できないため 新配色カードの値がなにを参考にした値なのかはわかりません
・JIS Z 8102:2001 物体色の色名
https://webdesk.jsa.or.jp/books/W11M0090/index/?bunsyo_id=JIS+Z+8102%3A2001
また、以下の記事でも紹介していますように、こうした試験においては「どっちでもいい答えがあるのであれば、公式テキストの情報が正しいと思うべし!」と私はアドバイスさせていただくことにしています。
・色彩検定の受験必須アイテム(「公式テキストが必須な理由」部分参照)
https://shikisaikentei-online.com/item_23
以上の理由から「桧皮色=1YR4.3/4」で覚えるのが最適かと思います。
試験頑張ってください!