こんにちは、1級 色彩コーディネーターの石川です(プロフィール)。
この記事では「1級の問題と対策」で紹介している色彩検定1級2次試験用のオリジナル問題の解答と解説を掲載しています。
オリジナル問題・採録
問題Cの設問で矛盾が生じることが判明いたしました。解答欄下の追記部分をご参照ください
「問題A」の解答と解説
ポイント
この問題を読み解くためには、数字を付した3箇所の意味が理解しておく必要があります。
「色味に関する修飾語がつかない」とは、PCCS色相名に “~みの” という言葉がつかないもの・・・ということです。
色相名に “~みの” が付かないのは「2. 5. 8. 10. 12. 14. 15. 17. 18. 20. 22. 24」です。
これは PCCSトーンのイメージをあらわす言葉です。
「充実した&伝統的な」はdpトーンのイメージ語になるため、「充実した・伝統的なイメージで統一」とは すべてdpトーンで統一しなさい という意味になります。
テトラード配色は「色相差が6の4色相で構成される配色」 のことです。
問題Aの解答
上記 1~3 を踏まえて、問題1を解いていくと・・・
(1)の色相( 2. 5. 8. 10. 12. 14. 15. 17. 18. 20. 22. 24 )だけを使用した場合、(3)テトラード配色(=6色相差)が可能になるのは「2. 8. 14. 20」の組み合わせしかありません。
また(2)からトーンはすべてdpになります。
さらに、問題文には “左から右に向かって色相番号は大きくなるように” との記述がありますので・・・
a[ dp2 ] [ dp8 ] [ dp14 ] [ dp20 ] ※左からこの順番であること
「問題B」の解答と解説
ポイント
さてこの問題AとBは 俗に言う”芋づる式”問題です。
問題Aが不正解だった場合、問題Bも連鎖的に不正解にならざるをえなくなってしまいます。
実際の試験ではこの芋づる式問題が非常によく出ます。たった1問のケアレスミスが甚大な被害につながりますので注意しましょう。
問題Aで “左から右に向かって色相番号は大きくなるようにすること” という注意書きが付されているのは aの色相を限定するためですね。
つまり色相番号は「2」。
スプリットコンプリメンタリー配色とは “補色対のうち片方の色相から色相差1-2のものを使用する3色相配色” のこと。
問題文から、色相番号:2を基準にしてスプリットコンプリメンタリーを形成するものということになるので 「12. 13. 15. 16」 のいずれかの色相になります。
色相番号:2を軸にして、隣同士で補色関係(色相差11-12)をとりうるのは「13. 2. 15」の組み合わせのみです。
問題Bの解答
上記説明から色相が「13. 2. 15」であることが分かりましたが、トーンは何にすればいいのでしょうか?
スプリットコンプリメンタリー配色にはトーンの規制はないので、本来はどのトーンを選んでも間違いではありません。
ところが!
この問題は”vトーン”以外は正解になりません・・・なぜか?
それは 解答に使用するカラーカード(新配色カード199a)には、基本的に奇数番号の色相が含まれていないから・・・なんです。
ただし唯一、vトーンだけは奇数を含む24色相を持っているんですね。
つまり、13.15という奇数番号の色相が解答可能なのはvトーンのみ・・・という消去法によってvトーンが導かれるんです。
ただの筆記問題であれば、どのトーンを選択しても間違いではないのですが、2次試験は”カラーカードの切り貼り”があることを忘れないでください。
カラーカード実技問題は、カラーカード自体がもつ特徴の制約を受けるんですね。
だから、sトーンが正解になるような問題も出題されることはありません、たぶん(カラーカードについて)。
[v13] [v2] [v15]
問題Cの解答と解説
問題Cの設問で矛盾が生じることが判明いたしました。解答欄下の追記部分をご参照ください
ポイント
この問題を解くにはまず、慣用色カーマインのマンセル値を覚えておく必要があります。
カーマインのマンセル値は [ 4R 4/14 ]。これは近似としてPCCSの[ v2 ]に相当します。
類似色相配色とは [ 色相差2-3 ] の配色のことで、(1)からv2を基準とすると色相は [ 24. 4. 23. 5 ] のいずれかになります。
ここを理解するには、各色相の明度・彩度の数値を知る必要があります。
そのためには「1級2次の必須知識」のページで紹介した明度&彩度表の知識が必要です。
表から、まずv2=「明度:4.5 / 彩度:9s」であることがわかります。
ここで、色相「24. 4. 23. 5」のうち、v2と明度/彩度差が最大のものを選ぶとdkg24とdkg4が共に、[明度:2.0 / 彩度:2s]で最大差を形成しています。よって正解は、v2と、dkg24もしくはdkg4の組み合わせになります。
[ v2 ] と [ dkg24 ] または [ dkg4 ]
【追記】問題C の「明度差・彩度差が最大のもの」という文章に誤りがあることが判明しました(コメント欄からのご指摘ありがとうございます)。余裕ができましたら新規に問題を作り直そうと思いますので、現況の問題Cに関しては、雰囲気だけを味わう方向でお願いいたします。
まとめ
というわけで、色彩検定の1級2次オリジナル問題の解答と解説でした。
解答の間違い&複数回答などの可能性がありますので(実際にあった・・・)、あくまで雰囲気重視で ゆる~い感じで見てください。間違いの指摘は大歓迎です。
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