こんにちは、1級 色彩コーディネーターの石川です(プロフィール)。
色彩検定・夏期試験まであと一ヶ月。
独学受験生のみなさんにおいては、受験勉強まっさかり、連日徹夜で血反吐を吐きながら猛勉強をされていることと思います。
とはいえ、時には どうしてもやる気が出なかったり、ついつい後回しにしてしまったり、「こんな試験受ける必要があるんだろうか?」と考えたり、「そもそもわたしはなぜ生きているのだろうか?」「世の中の森羅万象に意味などあるのだろうか(いや無い)」などと、ついつい立ち止まってしまうこともあるのでは?

そこで今回は、読むと色彩知識に関するモチベーションがグッとUPする本を紹介してみようと思います。
色彩検定を受検する方の多くにとって、最初の動機というのは「配色の方法を学びたい」とか「服のカラーコーディネートが苦手で・・・」とかそういうことだと思うのですが、学習している間に「色彩の知識を得る」ことよりも「とにかく合格すること」に重点を置きはじめてしまいがちなんですよね。
わたしもそうでした。
これだと、学習が単なる苦痛になってしまうわけです。
なので、わたしは受験勉強の合間に「色彩への好奇心」をくすぐる読み物などに目を通して、ちょっとした息抜きをすることをお勧めしています。
そこで紹介したいのが、洋泉社さんから近頃発売された「わかる!使える色彩学」。

こちらの書籍は「色彩学の基礎的な内容を抑えた実用書」といった内容なのですが、受験勉強に疲れた体に「色彩への好奇心」を回復してくれる、まさに最適の1冊です。
色彩学の知識を学ぶにあたって色彩検定の公式テキストも、よくできていると思いますが、どうしても「教科書」感というのか「理論先行」感が否めません。
中学時代に学んだ「2次元連立方程式」が、その後の社会生活で一向に活用される気配がないのと同様「トライアド配色? こんなの学んだところで実際の現場で役に立つの?」という哀しい気持ちが時折頭をもたげてしまうわけです。
ところが、こちらの「わかる!使える色彩学」で紹介されているのは、机上の空論ではなく世の中で実践された色彩技法の事例ばかり。
企業別・業界別ヘアカラーの基準は?
ネット通販だからできるカラー戦略とは?
色彩学の基礎を抑えつつ、商品、インテリア、美容・ファッション、環境・・・といった分野における具体的な商品やロゴなどの実例をもとに、色彩の持つ効果やテクニックが分かりやすく解説されています。
また、色彩検定でお馴染みのPCCSのトーン概念をはじめ、パーソナルカラーや、カラーセラピー、はては陰陽五行色までを幅広くカバーしてるのも特徴。
色の見え方には男女差がある?
「チャクラ」の色で病気を治せる時代が来る?
などなど、思わず興味をひかれてしまう見出しがたくさん躍っていますが、なかでもわたし的に面白かったのが「実は黒いタイツは脚を太くみせる?」「白い壁は部屋を狭く見せている」といった項目。
「あれ?逆じゃないの?」と、印刷ミスを疑いましたがそうではありません。
一般常識的な色彩知識も使い方を誤れば、逆の効果を生み出してしまうことを知り、勉強になりました。
ちなみに、本書の著者・勝馬ちなつさんは、色彩検定1級取得者。
なんと、大丸松坂屋の制服カラーコーディネートを提案された方だそうです。
この制服のカラーコーディネートに関しては、本書の中でも触れられており・・・
様々な色のジャケットやスカート、ベルト、帽子や靴などの着用アイテムを、スタッフ自身が自由にコーディネートできるようになっており、可能な組み合わせは1万通り以上もあります(本書30pより)
とのこと。
で、普通に考えたら「スタッフ自身が自由にコーディネートできるんだったら、雑然とした印象になっちゃうんじゃないの?」という話なのですが、それを回避し、企業としての統一感を損なわないために、各アイテムは「トライアド配色」を元に選定しているのだそうです。
「トライアド配色」
確かに実際の現場で役に立っていました。
まとめ
・・・というわけで、独学受験生のみなさんも、実用書としてはもちろんのこと、苦しい受験勉強の息抜きとしても、是非、読んでみてください!
おんもしろいからあ(by つかせのりこ)!
2016年9月に、本書の改訂版「わかる! 使える! 色彩の教科書」が発売になりました。これから購入される方はこちらの方がおすすめです。
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